民主党は23日夕、広島市内で青年委員会(黒岩宇洋委員長)の第3回全国大会を開き、約100人の若手自治体議員が参加した。同委員会事務局長の小山有彦東京都議会議員の司会のもと、黒岩委員長が開会のあいさつを、地元広島県選出の森本真治参院議員・党広島県連代表が歓迎のあいさつを、そして枝野幹事長が来賓のあいさつを行った。後藤祐一衆院議員、広田一参院議員も参加した。

 開会に先立ち、戦後70年を機に、先の大戦での死没者、広島の地で亡くなった被爆者、そして昨年の広島豪雨災害被害者への哀悼の意を表し、一同で黙とうした。

 黒岩委員長は開会のあいさつで、「選挙に強い集団になろうということで青年委員会の活動を続けている。どんなときでも勝ち抜ける足腰の強い戦いができる一人ひとり、集団になっていくことが重要になる。苦しい選挙戦を互いに支え合える仲間でありたいと思っている」「議会人は選挙で勝って議会人であり続けなければ大事な政策をどんなに訴えても意味がない。党を語り、国を語り、世界を語り、社会の将来を語るためにも、議会人であり続けるため力を尽くしていこう」と力を込めて参加者に呼びかけた。

 


 森本議員は戦後70年、被爆70年の節目の年に広島での開催となったことの意義を強調。「広島の心、広島の思いを受け止めて地元に帰って、政治活動に生かしてほしい」と訴えた。また、広島市を昨年襲った豪雨災害にも言及し、「8月20日で豪雨災害から1年になる。青年委員会の多くの方に災害ボランティアに参加してもらったが、災害からの復興、また防災対策についても、明日の視察を通じて、豪雨災害で得た教訓を地元でも活かしていくきっかけにしてほしい」と求めた。

 拍手で迎えられた枝野幹事長は、「民主党が政権の座にあった3年3カ月など、ほんの一時期を除いて自民党が政権を持ち続けてきた。そのことによって、さまざまなよどみが出ている。このよどみを正していくことが民主党のアイデンティティのひとつだ」と冒頭で語った。「青年委員会には予定調和でない、若手ならではの提言を行い、元気に活躍してもらうとともに、若い世代の候補者を発掘し、当選と活動を後押しし、次から次へと仲間を集めていく循環をつくっていかなければ中長期でのわが党の未来はない」とも語り、同級生や先輩後輩・NPO活動の仲間などに呼びかけて若い新しい候補の発掘に力を注いでほしいと要請した。また、自主的な行動を積極的に進めるよう求め、行動計画を提示すれば党として後押ししていくと確約した。

 

 「民主党はバラバラなどとまた批判されないためにもしっかりと結束することは重要だが、社会全体を一色に染める傾向が強い安倍総理とは正反対の、多様性を大事にする社会をつくることが民主党のアイデンティティのひとつだ。多様性を大事にするからには意見がさまざまあるのは当然だ。意見は違うがまとまったら一致結束して行動していく。小異を残して大同につくということだ」と枝野幹事長は強調した。

 2015年民主党大学に関する報告を同委員会副委員長の栗山雅史兵庫県議会議員が行うとともに、委員会として取りまとめた「若い世代の活躍についての提言」を黒岩委員長が読み上げ、枝野幹事長に手交した。さらに、今回の大会の開催準備を担った委員会副委員長の福知基弘広島県議会議員のあいさつで大会を締めくくった。


■選挙研修会、安保法制研修会を開催

 


 青年委員会全国大会に先立ち選挙研修会、安保法制研修会を行った。選挙研修会は福田玄浅口市議会議員の司会進行で、「選挙に強い青年委員会」として活動するなか、黒岩青年委員長、田辺一城福岡県議会議員、内山真吾昭島市議会議員がそれぞれの選挙戦を踏まえて、国政選挙、県議選、市議選を勝ち抜く戦術について講演した。

 先の衆院選で小選挙区当選を果たした黒岩委員長は「前々回は34票差で比例復活を果たせなかった」と振り返り、選挙区当選・比例次点の双方の経験を踏まえ、(1)選挙は1票1票の積み重ねだがどう積み重ねるか(2)全選挙区に自分自身、妻、少人数の事務所スタッフだけでポスターを張って歩いたことなど組織に頼る以前に自分1人でやれることをやり切ることから始めることの重要性(3)組織は助けてくれて当然ではなく、助けてくれたら有難いと加点法で考える。組織幹部との関係だけでなく組織構成員との関係を深める――などと話した。

 2011年の統一自治体選で自民党現職を破って当選し、15年の選挙では1人区で自民新人を破って当選した田辺福岡県議は、県政報告会の案内を持参して地域を回る政治活動、対話集会、政治活動の配信等のノウハウについて紹介。15年自治体議員選挙の約4カ月前に行われた14年衆院選挙での地元・福岡県古賀市での民主党の比例獲得数は自民、公明、維新に続く第4位であったことを踏まえ、「個人の票を比例にもつなげていく取り組みの強化を」と語った。

 今年の東京・昭島市議選でトップ当選を果たした内山議員は、市議選で選んでもらう候補者になるためには「議会で頑張っている人」という印象を市民にまず強く持ってもらわなければならないとの観点から、11年の選挙で当選後、自身の活動の「見える化」に努め、朝の駅頭演説や市議会レポート配りの徹底に努めたことを報告した。また、作成した市議会レポートは街頭で配り、ポスティングを行い、SNSで発信するなど、「1つの内容を何回でも伝える」ことの重要性に言及した。
グループに分かれてディスカッション

 3人の報告後には、選挙区定数など選挙区事情が類似する議員同士が9つのグループに分かれ、「勝つために有効な手立て」について話し合い、それぞれが発表を行った。

 

 安保法制研修会は部谷翔大山口市議会議員の司会進行で「安保法制について」と題して長妻代表代行が講演した。

 講演で長妻代表代行は国会で審議されている安保法案に関連して、多くの憲法学者などから「違憲である」との指摘が高まる中、衆院の議論では法案のあいまいさが浮き彫りになる場面が多々あったと説明した。また、日本が武力行使できるための従来の要件は「日本に対する武力攻撃があった場合に個別的自衛権のもとで行使できる」とされていたが、今回の安保法案では「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合でさえ、集団的自衛権のもと武力行使できることになる点を問題視。武力行使できる要件もあいまいなまま、安保法案が自公政権の数の横暴によって成立されようとしているとして、長妻代表代行は懸念を表明した。

 自衛隊の後方支援の活動範囲もこれまで「非戦闘地域」とされてきたのが、今回の安保法案では「現に戦闘が行われていない地域」とされた点も取り上げ、「その時点で戦闘が行われていない地域ならばいいということで、相当戦闘地域に近づく可能性が高い」と述べ、自衛隊のリスクが高まることになるとの見方を示した。

 長妻代表代行は民主党の方針について、「近くは現実的に」「遠くは抑制的に」「人道支援は積極的に」という基本理念に基いていると述べ、離島等でのグレーゾーン事態に対応する「領域警備法案」を提出していることや、周辺事態法改正案、PKO(国際平和協力)法改正案の内容がまとまっていることにも言及し、「国会審議の状況等を考慮して提出等は岡田代表に一任されている」と述べた。長妻代表代行はまた、70年前の大戦について「国策の誤り」を指摘した多くの先達の声を紹介し、歴史に学び、国策の誤りを繰り返さないためにも憲法違反の安保法案は廃案に追い込んでいくと表明した。